60代のS様、ご予約の理由をお聞きすると「姪っ子の結婚式があるから」と。
続けて「最近、愛犬が亡くなって気持ちが沈んでいたし、外出もしていないし」とのことでした。
私は、
「つまり、最近、笑顔になることが減っていたのですね。
姪御さんの結婚式に出席するにあたり、
お祝いの気持ちが表れる笑顔になりたい、というご希望でよろしいですか」
とお聞きしました。
S様は「そうです、笑顔がぎこちなくて。というより鏡さえ見てないから…」
と下を向いて低い声でおっしゃました。
施術では、表情筋や咀嚼筋をゆるめてから首や喉にもアプローチしました。
歯科衛生士の立場から、喉の硬さや嚥下(飲み込み)の状態も確認させていただきました。
施術後、S様「顔が軽くてすぐに笑顔になります。あら〜首も曲がりやすいですよ」と。
お茶を口に含んでもらうと「すーっと入った」と驚かれました。
これは飲み込みの機能が改善したからです。
顎や肩首がこわばっていると、舌のつけ根にある「舌骨」の動きが制限され、
飲み込みがスムーズにいかないだけでなく、声も硬く低く、響きにくくなってしまうのです。
日常生活では首や喉が硬くなる要因はたくさんあります。
長時間のスマートフォン操作や無表情。
無意識の食いしばりや噛みしめなど。
これらが積み重なると、首の筋肉は緊張しっぱなしになり
「声がかすれてきた」「飲み込みにくくなった」と自覚することも。
「声に年齢が出る」とは、おばさん声になったり、声のおじさん化のことです!
逆に、筋肉がゆるむと声も一気に変わります。
首が軽くなると同時に、声がのびやかに響き、自然と表情も柔らかくなるのです。
S様は、施術中に「板が入っているみたい」と首や肩のコリを感じていました。
徐々に柔らかくなっていくのを感じて「ジッとしていたらこうなったんですね」と。
そして「そろそろ散歩でもしようかしら」と明るい声でおっしゃいました。
第一印象を決めるのは、笑顔と声
自然な笑顔、軽やかな挨拶の声
どちらかがあるだけでもその場はパッと明るくなります。
さらに、この二つが揃うと幸福感さえも伝わります。
鏡を見る時、笑顔のチェックと同時に声を出してみましょう!
「おはよう」「こんにちは」
軽やかで明るい声は、自分自身に返ってきます。
第一印象を決めるのは、笑顔と声
「おはよう」と毎朝、ご自分の第一印象をステキに保ちましょう!
今月も最後までお読みくださってありがとうございました。
また、来月!
▽首のケアのヒント:深呼吸をしながら首の前を軽くなで下ろす、
あくびをするように口を大きく開けて上を向く、そのまま首をゆっくり回す
−−これだけでも筋肉はゆるみます。日常のすきま時間に、ぜひ試してみてください。