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【長文です】「わたしのありがとう」を持っていますか?

2026/05/31

このメルマガでは「美表情塾」塾長 中川よしこの出会いの中から

○笑顔の効果

○美表情トーク

○それぞれの笑顔ストーリー

などなどを月末に一度だけお届けしています。

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昨年から10年日記をつけています。

数行の日々の記録。

一年前も新緑のこの季節には

新しい服を買ったりドライブしたりと同じことをしていました。

 

6月にある講演のテーマに選んだ「ありがとう」という言葉。

遠くにあるひとつの記憶がよみがえりました。

その記憶をたどるように、6年前のメルマガを読み返しました。

そこには、私がなぜ笑顔や表情を伝え続けているのか

その原点ともいえる出来事が書かれていました。

 

超長文です。お時間ない方はスルーしてください。

ですが、61歳になった中川が今何を思い出して何を考えているか、

お読みいただけると嬉しいです。


=今月の気づき=

講演のテーマは『伝わる「ありがとう」の整え方』にしました。

身体の使い方をちょっと変えるだけで「ありがとう」が変わるという内容です。

 

「ありがとう」は感謝の表す言葉。

けれど、それだけではないような気がして逡巡していました。

 

思い出したのは1995年の出来事です。

6年前(2020.5.31)のコロナ禍、メルマガに掲載しました。

今回、全文を再度掲載させてください。

・・・・・・・・

=免疫力との出会い②=


神戸の歯科診療室で働いていた1995年の3月、

定期検診でお越しになった50代の男性です。

 

4か月毎にお口の中のチェクをし、

お手入れについてアドバイスしたりクリーニングをしていました。

12月まで安定した状態でした。

 

こんなにキレイに丁寧に歯を磨く大人の男性がいるもんなんだ、と

当時29歳だった私は驚きました。

ベテラン歯科衛生士から引き継いだ方だったので、

その先輩の指導力に憧れも感じました。

 

いつものようにチェックをしながら、何か違和感を覚えたのです。

 

歯周病を測る検査をしていました。

細い器具が歯肉の深くに入っていきます。

 

それは、歯周病が進行したことを示します。

ですが、磨き残したプラークも炎症を示す出血もありません。

以前と変わらず、丁寧に磨かれています。

 

私は、検査結果をお見せしながら、正直な気持ちを言いました。

 

「ここ数年安定していて、数値に大きな変化はありませんでしたが

 今回、歯周病が進行している部分があります。

 部分的というより、全体的な進行です。

 ですが、お手入れはできていると思います」

 

「すみません、原因がよくわからないのですが、、、何かありましたか」

 

その方は、考えを巡らせてから、おっしゃいました。

 

『・・・友人を、3人亡くしました』

 

その声があまりにも静かだったので、

私は一瞬、なんのことか分かりませんでした。

 

1995年1月17日。

阪神・淡路大震災がありました。

 

その方は、この震災で、大切な友人を3人も亡くした、とおっしゃったのです。

 

私は、言葉を持っていませんでした。

 

「・・・そうでしたか・・・・」


「今日の検査で歯周病が進んでいることがわかります。

 こういう時は

 さらに何か新しい磨き方などをご提案するのがいいのかもしれませんが

 既に、お手入れは十分できていると思います。

 ご存知と思いますが、歯周病は磨き残したプラークが原因となるだけではなく

 全身の要素からも影響を受けます。

 よく言われているのは、タバコ・睡眠不足・栄養の偏り・全身疾患・ストレスなどです。

 免疫力が低下すると、歯周病の進行が早くなります」

 

私は、自分の知識を整理するように説明していました。

 

「ですので、この後クリーニングさせていただきますが

 私からの指導というのは・・・・

 今までのお手入れを続けてください、と

 また、次回もお越しください、ということです・・・が、

 よろしいでしょうか」

 

『・・・ありがとう』

 

”わかりました” でもなく、”それでいいです” でもなく「ありがとう」でした。

 

お口の中から感じた違和感。

静かに歯周組織が破壊されていました。

それはまさに、生命力、みずみずしい身体の循環、を感じなかったのです。

 

まるで、その男性が消えてしまうような冷たさでもありました。

 

だから、つい言ってしまったのでしょう

「また、次回もお越しください」と。

 

今、勝手に思い込んでいるのですが

あの時の「ありがとう」には

自分は生きていくんだということを思い出したよ

という意味が込められていたと。

そう思いたいです。

 

歯科医療の現場でも、エビデンスと言って

科学的な裏付けがないと信用してもらえない風潮があります。

顕微鏡で見つけるような細菌を除去する方法が求められています。

 

ですが私は

”プラークや歯石よりも生活を診る” に重点を置いた活動をしています。

 

1995年の「ありがとう」は、そんな私を支えてくれる言葉です。

 

大きな喪失に見舞われた時、

”悲しみ” や ”ストレス” では表されない何かに襲われます。

それでも、丁寧に歯を磨いていたあの男性は

歯を磨く時、何を思っていたのでしょうか。

 

瓦礫とブルーシートと埃が、私たちを覆っていた震災直後の3月。

歯の定期検診にどんなお気持ちでお越しになったのでしょうか。

 

あの時の ”指導” は、他になかったのか。

今もまだ問うています。

 

美表情塾のメルマガを読んでくださってありがとうございます。

免疫力との出会い①と今月の②は、ずーっと私の記憶の中にしまってあって

今まで一度も出したことがありませんでした。

 

美表情塾で出会ったお客様や、メルマガにお返事くださった方々は

細やかな心配りをされる方ばかりです。

 

こうして、言葉にする勇気をくださってありがとうございます。

 

新しいウイルスは、じわじわと私たちの生活だけではなく

文化や伝統を変えてしまいそうです。

 

新しい生活様式と言われて、前向きになる気持ちに少しはなれますが

多くの方はこれまでの自分を失うような不安に包まれているのではないでしょうか。

 

今、自分に何ができるのかと問うています。

35年の中にきっとヒントがあると辿っています。


(以上)
・・・・・・・・

この記録の中で、私の心に深く残ったのが、

 

『・・・ありがとう』という一言でした。

 

「わかりました」でもなく、「それでいいです」でもなく、

「ありがとう」。

 

あれから30年以上が過ぎました。

そして6年前、その出来事をメルマガに書いていました。

 

さらに今、その文章を読み返しています。

不思議ですね。

一つの「ありがとう」が、何度も私の人生に戻ってくるのです。

 

私は歯科衛生士として働く中で、

口は単に食べるための器官ではないと学びました。

話すこと。

笑うこと。

気持ちを伝えること。

誰かとつながること。

これからも生きていくという支え。

 

口や顔には、その人らしく生きるための大切な役割があると

1995年のあの出来事は、

そんなことを私に教えてくれました。

 

その後、私は表情の世界へ進みました。

笑顔が苦手な方。

人前で話すことに自信が持てない方。

年齢とともに表情が硬くなったと感じる方。

たくさんの方と出会ってきました。

 

私がお伝えしているのは、単なる笑顔の作り方ではありません。

その方らしく生きるための表情です。

 

私はそれを「素笑顔」と呼んでいます。

 

その方の骨格や人柄に合った、しなやかで自然な笑顔です。

その素笑顔で、どんな環境に変わっても素直に豊に暮らして欲しい。

 

振り返れば、美表情塾を続けてこられたのも、

あの時の『・・・ありがとう』があったからなのかもしれません。

 

私は、私を原点に戻してくれる「わたしのありがとう」を持っていました

 

これから何かに迷った時、「ありがとう」が記憶の入り口になることでしょう。

 

この6年間にもらった「ありがとう」が。

口にした「ありがとう」が。

 

2026.5.31配信のこのメルマガ文が

表情が、生きるを支える機能であることを思い出させてくれるでしょう。


そして、素笑顔でいたい方々を支えるために美表情塾があると。

 

忘れられない「ありがとう」がありますか?


このメールに返信する形で、ぜひお返事ください。

 

長文を最後までお読みくださりありがとうございました。

来月までお元気で!

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